こんにちは、ふぁんです。
5年間、私は趣味でアクアポニックスを実践してきました。
現在は屋内と屋外でアクアポニックスを実践しています。
屋内ではアクアスプラウトというキットを使用して、金魚を育てながら葉物野菜や観葉植物を栽培しています。
\アクアポニックスを楽しみたい方へ/
在庫残りわずか
屋外では100ℓほどのプラ舟を使用して、ティラピア飼育と野菜栽培に挑戦中です。
実は教員免許を持っている私。
そんな私が始めての人にも分かりやすく、アクアポニックスの仕組みや特徴を解説しています。
アクアポニックスの概要を学べますので、アクアポニックスをやってみたい方、学びたい方はぜひご覧ください。
アクアポニックスは魚の養殖と水耕栽培のかけ合わせ
アクアポニックスは、魚の養殖と水耕栽培をかけ合わせた農法です。
画像のようにアクアポニックスは、野菜を育てる場所と水槽がパイプでつながっています。
アクアポニックスを始めて見た人の中には、「どうして2つを一緒にできるの?」と疑問に思う方もいるかもしれません。
この疑問はアクアポニックスの仕組みを理解すれば解決します。
ではアクアポニックスの仕組みを確認していきましょう!
アクアポニックスの仕組みは難しくない
アクアポニックスの仕組みは難しくありません。次の図を見てください。
アクアポニックスの仕組みについて補足します。
- 魚にエサをあげる
- 魚は排せつ物(フン)を出し、水中の微生物がそれを分解する
- 分解された養分を野菜が吸収する
- キレイになった水が再び水槽へ戻る
- この循環を繰り返す
アクアポニックスは仕組みはシンプルです。
次に水槽の中で具体的にどのようなことが起きているのかを確認します。
マニアックな知識なので、文字が苦手な方は読み飛ばしてください。
- 魚の排せつ物と水が反応して、二酸化炭素とアンモニアが発生
- 微生物(ニトロソモナス属)がアンモニアを亜硝酸塩に分解
- 微生物(ニトロスピラ属)が亜硝酸塩を硝酸塩に分解
それぞれを化学式で表すと以下のとおりです。
- CO(NH₂)₂+H₂O→CO₂+2NH₃
- NH₃+O₂→NO₂⁻+H₂O+H⁺
- NO₂⁻+O₂→NO₃⁻
※CO(NH₂)₂…尿素 H₂O…水 CO₂…二酸化炭素 NH₃…アンモニア O₂…酸素 NO₂⁻…亜硝酸塩 H⁺…水素イオン NO₃⁻…硝酸塩
いきなりニトロとか化学式なんて言われても、頭に入ってこない…
無理して覚える必要はないぞ!
え!そうなの?
覚えなくても魚や野菜は育てられるからね!
【覚えるべきポイント】
- アンモニアや亜硝酸塩は魚に有害である
- 硝酸塩は魚に無害であり、植物の栄養となる
- 水槽内のアンモニアや亜硝酸塩を硝酸塩に変化させることが重要
- 硝酸塩に変化させるためには、微生物の働きが欠かせない
アクアポニックスを実践したい方は、これらのポイントを覚えておくべきです。
それは魚を弱らせないための最低限の知識だからです。
アンモニアや亜硝酸塩が多いと魚は死んでしまうことがあります。
アクアポニックスの特徴8選
アクアポニックスの特徴8選は下記のとおりです。
- 土づくりや水やり、除草が不要
- オーガニック野菜を収穫できる
- 手間がかからず、管理しやすい
- 魚を養殖できる
- 作れる植物の種類に限りがある
- 淡水魚しか飼育できない
- 電気を使用する
- 植物と魚について学ぶ必要がある
それぞれ解説します。
まずはメリットから解説します。
①土づくりや水やり、除草が不要
アクアポニックスでは土の代わりに培地(ハイドロボールや砂利など)や発泡スチロールを使用するので、畑のような土づくりは必要ありません。
そのため連作障害もないです。
※連作障害…作物を毎年同じ場所で作り続けると土の養分が偏り、病害虫が発生し、野菜が育たなくなること。
また魚の排せつ物を微生物が分解してできる養液が、野菜ベッド(野菜を育てる場所)を循環するため、野菜への水やりも行いません。
アクアポニックスは水を無駄にしないので環境に優しいです。水やりの代わりに、植物が吸収した分や蒸発した分の水を定期的に足します。
培地に雑草が生えることもありません。それは土を洗い流した苗を使用するからです。
畑であれば除草が必要ですが、アクアポニックスでは無縁の作業と言えます。
このようにアクアポニックスは土づくりや水やり、除草が不要なため、手間のかからない農法です。
②オーガニック野菜を収穫できる
アクアポニックスで収穫した野菜は、安全安心のオーガニック。
それは農薬や肥料を使用できないからです。
農薬などを使うと、魚が死んでしまうためです。
水の循環で成り立つアクアポニックスは、魚に配慮しつつ、オーガニック野菜を育てることになります。
③手間がかからず、管理しやすい
アクアポニックスの管理は、一般的な魚飼育より簡単です。
それは水槽の水替えの回数が、少なくて済むためです。
アクアポニックスの水の循環がしっかりできれば水は汚れません。
私が使用しているアクアスプラウトSVでは、100日以上、水替えを行いませんでした。10日に1回、減った分の水を足すだけです。
そのような管理でも、コケが発生しませんでした。
ただし「水替えは不要なの?」と聞かれれば、その答えは「ノー」です。
水替えの回数は減りますが、定期的に水替えする方が魚にとっては良い環境を維持できます。新しい水は魚に良い刺激にもなるからです。
「水替え以外にどんな作業があるの?」と思われた方は、こちらの記事を見てください。
【管理は簡単】小学生でもできるアクアポニックスのメンテナンス7選
④魚を養殖できる
アクアポニックスは淡水魚を養殖できます。食用となれば、チョウザメやティラピアの事例が多いです。
ただし養殖となれば、大きな水槽を準備しなければいけません。私が屋内で使用している水槽(約35ℓ)では養殖は難しいです。
一方で屋外で使用している100ℓ規模の水槽であれば養殖できます。実際にティラピアを稚魚から20㎝以上のサイズまで成長させることができました。
ティラピアは育てやすい淡水魚で、どんどん大きくなっていくので飼育も楽しいですよ。
\アクアポニックス養殖が気になる/
⑤作れる植物の種類に限りがある
アクアポニックスで栽培できる野菜は限られています。
栽培方法や規模にもよりますが、葉物野菜やハーブ類、観葉植物、花を栽培できます。
具体的に言うと、リーフレタス、水菜、パセリ、シソ、バジルなどが育てやすいです。
トマトやキュウリ、ナスなどの実物野菜も条件を整えることで栽培可能です。
アクアポニックスの栽培に関する研究が進んでいますので、今後多くの植物を育てることができるようになると思います。
栽培できる野菜について詳しく知りたい方は、この記事をご確認ください。
【最新まとめ】アクアポニックスで育てる野菜やハーブ、観葉植物、花を紹介
⑥淡水魚しか飼育できない
アクアポニックスは淡水魚しか飼育できません。海水魚に必要な塩水は、植物栽培に向かないからです。
淡水魚の熱帯魚や金魚、コイ、ティラピア、チョウザメ、ナマズなどを育てることができます。
最新のアクアポニックスでは、そもそも魚ではなくカピバラやエビなどを飼育する事例もあります。「淡水魚しか飼育できない」では古い情報になりつつあることは覚えておいてください。
⑦電気を使用する
水槽の酸素ポンプや野菜のライトなどを使用するため、電気料がかかります。
飼育の必要経費であり、そこまで高い料金ではありません。
ただし熱帯魚飼育などのためにヒーターを使う場合は、電気料を気にしておくべきです。
いずれにしても、アクアポニックスを始める前に電源の有無の確認をしておくと良いでしょう。
⑧植物と魚について学ぶ必要がある
アクアポニックスを始める際は、植物と魚の育て方について全く知らないと失敗します。
例えば、次の質問に答えられますか?
- 「屋内なら植物に何時間、ライトを当てるべきか?」
- 「どのくらいの量、頻度で魚にエサをあげるのか?」
その答えは以下のとおりです。
- 屋内の植物には、最低6時間はライトを当てる必要があります。
- エサは3分程度で食べ終わる量を、1日に2~3回あげます。
アクアポニックスや野菜、魚について疑問や悩みがある方は、この記事が参考になるかもしれません。
アクアポニックスを実際にやってみよう
アクアポニックスは、魚の養殖と水耕栽培をかけ合わせた農法です。
微生物が魚の排せつ物を栄養に変え、植物が吸収します。
そして水槽に戻ってくる水は無害になっています。水が循環して水槽も汚れにくいので、掃除の手間はほとんどかかりません。
もし興味があれば、小型のアクアポニックスキットから始めてみませんか?
以上!ご覧いただき、ありがとうございました。