こんにちは、ふぁんです。
趣味で始めたアクアポニックスでバジルを収穫しました。
アクアポニックスでは野菜の栽培がうまくいかないことも多く、その原因を調べて改善しています。
野菜を成長させるために、「栄養・日光・水」が必要なのはご存知の方も多いでしょう。
アクアポニックスの栄養不足の原因は、野菜と魚と微生物のバランスが整っていないからです。
今回は「野菜や魚、微生物のバランス」をアクアポニックスでどのように対策すべきかを解説します。
この記事を読むことで、アクアポニックス野菜の栄養不足の対策を学ぶことができます。
アクアポニックスの仕組み
まずはアクアポニックスの仕組みを確認します。
アクアポニックス野菜の栄養は、魚が排せつしたフン(アンモニア)を微生物が分解してできた硝酸塩です。
今回は微生物が十分発生して、働きも良好な状態と考えます。
つまり「魚×野菜×微生物」の内、微生物は問題なしということです。
微生物の重要性や対策は、こちらを参考にしてください。
【初心者必見】アクアポニックスを難しいと思わないための対策法を伝授
アクアポニックス野菜の栄養不足の原因3選
アクアポニックス野菜が栄養不足になる原因は以下の3つです。
- 魚の数が少ない
- 魚へのエサが足りない
- 野菜の数が多い
魚の数が少ないと野菜に栄養を供給できません。また魚のエサの量が少なければ、植物への栄養は不十分です。
野菜の数が多いと栄養も分散するため、野菜はうまく成長しません。
野菜が成長するために必要な栄養素やその量は、野菜の種類で異なります。
トマトやナスなどの実物野菜に比べて、サニーレタスや水菜などの葉物野菜は少ない栄養で育てることができます。
アクアポニックス野菜の栄養不足の対策5選
アクアポニックス野菜の栄養不足の対策を5つ紹介します。
- 野菜と魚の数は1:1にする
- 魚のエサを増やす
- 野菜ベッドにミミズを入れる
- 栄養素を添加する
- 栄養が少なくても育つ野菜に切り替える
それぞれ解説します。
野菜と魚の数は1:1にする
小型キット(アクアスプラウトSV)のように野菜ベッドと水槽がほぼ同サイズであれば、野菜と魚の数は1:1(同数)にするのが基本です。
ただし魚ごとに排せつ量が違います。コイやティラピアといった大きな魚であれば、野菜:魚=2:1でも良いです。
一方で小さな熱帯魚やメダカはフンも少ないので、魚の数は多めで構いません。
いずれにしても水槽サイズにあった魚の数を確認し、それに合わせて野菜の数を決めます。
金魚の目安は書籍から引用します。
水槽サイズ | 水量 | 飼育可能な金魚の数(エアレーション有) |
---|---|---|
30㎝(30×20×23) | 12ℓ | 小型5尾まで |
45㎝(45×30×30) | 35ℓ | 小型7尾まで、中型5尾まで |
60㎝(60×30×36) | 60ℓ | 小型10尾まで、中型7尾まで、大型5尾まで |
※金魚サイズの目安 ・小型…3~5㎝ ・中型…5~8㎝ ・大型…8㎝以上
魚の数は調整しづらいので、野菜の数を増減させながら、良いバランスを見つけてください。
魚のエサを増やす
魚にたくさんのエサをあげることで、たくさんの栄養が野菜に届きます。
しかしエサを食べ過ぎると魚は消化不良を起こします。
エサやりを増やすのは簡単ですが、実践するのは難しいです。
消化しやすいエサや水質を悪化させにくいエサを与えるなど工夫しましょう。
野菜ベッドにミミズを入れる
ミミズは多くの栄養素を満たすことができます。
野菜ベッドにミミズを入れる理由は以下のとおりです。
ミミズのフンは、植物にとって栄養バランスに優れた最適な肥料となります。
ミミズのフンは、リン、マグネシウム、カリウム、カルシウム、マンガン、銅、亜鉛、コバルト、ホウ素、鉄、硝酸塩、炭素、窒素などの必須元素を豊富に含みます。
活用方法:野菜ベッドにミミズを一握り投入します。これによって、魚のフンや古い植物の根などが、植物が吸収できる栄養素へと形を変えます。また、ミミズは野菜ベッド内に栄養をまんべんなく行き渡らせる働きもします。
(出典)『アクアポニックス実践マニュアル』著者:ロレーナ・ビラドマ、フィリップ・ジョーンズ 翻訳兼監修:株式会社おうち菜園
今後、屋外のアクアポニックスでミミズを使用する予定なので、感想は改めて記事にします。
栄養素を添加する
魚の排せつ物は、栄養素の中でも窒素が多いです。
栄養素が偏る場合は、その他の栄養素を野菜に添加します。使用する際は水質(pH)や魚に影響がないか、を十分確認してください。
小さなキットではほとんど使用しないので詳細の説明は割愛します。
栄養が少なくても育つ野菜に切り替える
栽培する野菜を替えることも対策の1つです。
少ない栄養でも栽培可能な野菜を育てます。
オススメなのは葉物野菜やハーブ、観葉植物。それは硝酸塩を吸収することで葉や茎が成長するからです。
逆に避けるべきなのは実物野菜です。実物野菜はアクアポニックスで欠乏しやすいリンを多く必要とします。
リンは開花や結実を促進する栄養素なので、不足するとうまく成長しません。あくまで一例ですが、たくさんの栄養を必要とする野菜は避けた方が無難です。
5つの対策の中からアクアポニックスの規模や環境に応じた対策を実施しましょう。
アクアポニックス野菜の栄養不足対策は1つずつ行う
野菜の栄養不足の原因とその対策について解説しました。
小型キットであれば、野菜と魚の数は1:1を基準にします。
野菜や魚、水質の状況を見ながら、バランスは微調整が必要です。魚の数は調整しづらいので、野菜の数を変更してください。
野菜づくりには色んな要因が関わってきますので、今回の対策をすれば完璧な野菜づくりができるという訳ではありません。
問題が生じた時は原因を1つずつ改善していく必要があります。ご理解いただければ幸いです。
以上!ご覧いただき、ありがとうございました。